DeeJay クラッシュの基本と楽しみ方

DeeJay クラッシュの基本と楽しみ方


 ジャマイカが発祥のDeeJayクラッシュは、リリックでアーティストを殺すイベントだ。
歌う曲は、持ち歌が基本で、歌詞を変えたり、フリースタイルを組み合わせたりし、相手を威嚇・攻撃する。
リディムは皿(レコード)ではなくバンドが演奏するのが本格的なスタイルで、DeeJayがバンドを操り、バンドはDeeJayを鼓舞する。
この辺りのスキルも見モノとなる。
対戦中は、両者がステージに立ち続け、ノンストップで戦いが繰り広げられる。
制限時間を設けている場合であっても、圧勝だったり、観客が暴動に発展したりしそうなときは、司会が中断させることもある。
また、最後に勝者のジャッジはつけない。
DeeJayクラッシュはプロセスを楽しむものであり、イベント終了後に「どっちが勝った?」と見た者の間で話題にするのがジャマイカ流だ。
たとえば、Ninjamam vs Shabba RanksではNinjamamが圧勝し、Ninjamam vs Super Catは名勝負となった。
Vybz Kartel vs Mavadoは、どちらも引かない激しい戦いで、後日、住人をも巻き込む地域間抗争にまで発展し、ギャングのボスが両者を和解させた。

 また、DeeJay クラッシュはイベント当日と、イベント後が盛り上がるだけではない。
対戦が決定した瞬間から、両者の動きを注視するもの面白い。
お互いが他のイベントで牽制しあったり、相手をDISする曲を出したりするからだ。
あなたがこのフライヤーを手に取った、今この瞬間より、両者の行動をチェックしてみると良いだろう。

そしていよいよ迎える決戦当日。意味込みが最高潮に達した両者が、ステージで火花を散らし合うのだ。



無敗の王者 NG HEAD vs 武闘派の雄 JUMBO MAATCH


ついに山が動いた! ハードコア路線を貫いてきた大阪の筆頭DeeJayがクラッシュ。
日本史上最高峰の対戦カードが決定だ!


DeeJayクラッシュって何? それって面白いの?  レゲエのイベントに行くなら、やっぱりサウンドのプレイで踊ったり、アーティストのショーで盛り上がりたい。
一対一の戦いの為に、なぜZEPP NAMBAなんて大きな会場を用意するのか……。
熱心なレゲエファンにとっては愚問だが、ここはあえて書かせて欲しい。

レゲエのイベントに足を運んでいる方なら、「サウンドクラッシュ」についてはよくご存知だろう。
サウンドマンが曲やMCを駆使し、音で戦うイベントのことだ。
これは日本のMighty Crownが世界の覇者として、およそ20年間頂点に立ち続けている。
それに対して「DeeJayクラッシュ」は、アーティスト同士の決闘となる。 ふたりのDeeJayが、リリックを武器に殺し合いを繰り広げるのだ。
本場ジャマイカにおけるDeeJayクラッシュは、時代によって覇者が移り変わっている。


まず、DeeJayクラッシュのルーツを紐解いてみるとしよう。


時代はジャマイカの1980年頃にさかのぼる。
この頃のサウンドはラバダブセットといって、サウンドシステム、セレクター、MC、そしてDeeJayやシンガーが、クルーとして一緒に活動をしていた。
そのサウンドクルー同士のクラッシュの中で、歌い手同士も競い合ったのだ。
1980年代後半に入ると、DeeJayクラッシュが単体として注目され、ビッグダンス「STING」内でアーティスト同士のクラッシュが行われるようになった。


1980年代末のPapa San vs Lt. Stitchie


1990年代のNinjaman vs Shabba Ranks


Ninjaman vs Super Cat


Bounty Killer vs Beenie Man、


そして2000年代のVybz Kartel vs Mavadoなど。



戦いに挑み、勝つことで、そのDeeJayは恐れ知らずの強者としてジャマイカ中でリスペクトされることとなる。
さて、そんなDeeJayクラッシュの歴史を辿ってみると、ここ日本においては驚くべき状態であることがわかった。
日本でもジャマイカとほぼ同時期にDeeJayクラッシュが勃発していたのだが、当時から《20年以上一度も負けたことがないDeeJay》がいたのだ。
1991年、17歳の若さで大阪のサウンドクルーのDeeJayとしてレゲエシーンに現れ、巧みなマイクさばきとバッドなリリックで一躍注目の的となった。
その者に対し、全国のベテランから若手まで数々のDeeJayが戦いを挑んだ


PAPA B


H-MAN





RUDEBWOY FACE



さらには「どっからでもかかってこんかいっ!」と、次々とやってくるDeeJayを一蹴する百人組手も行った。
しかし誰も、彼を叩きのめすことができなかったのだ。
その無敗の王者の名を、NG HEADという。


もはや誰もNG HEADを倒すことができないのか?


そんな中、NG HEADと同じ時代を生き抜いてきた、JUMBO MAATCHが名乗りを上げた!
この対戦カードに動揺したレゲエファンもいるだろう。 なぜなら、両者はほぼファミリーと言っても過言ではない関係だからだ。
ふたりはかつて、TOKIWAとして同じクルーで活動していたこともある。
その後も、両者は同じステージでパフォームしたり、コンビネーションチューンを歌ったりし、その関係は兄弟に近い。
そんなふたりが戦うとは誰が予想しただろうか。
jUMBO MAATCHは、侠気にこだわったラガな生き様を図太い声で伝えるMighty Jam Rockのメンバー。
2017年には、“危険球”の意味を持つBEAN BALL RECORDSを自身のレーベルとして設立し、その攻撃性にはさらなる磨きがかかっている。
NG HEADとJUMBO MAATCHの果し合い。
この戦いのステージでリディムを繰り出すバンドは、両名を熟知する大御所HOME GROWNに決まった。
そして、この最高峰の決闘にふさわしい最高の会場が用意されたのだ。
JUMBO MAATCHは、無敗の王者NG HEADの牙城を崩すことができるのか!?